~声の網~ (星 新一・角川文庫)
ショートショートの巨匠 星新一氏の 珍しい長編小説。
切れ味鋭い スッキリとした味わいに酔いしれようと読んでみたけど重油を飲む如く重い口当たりに腹の底まで沈みこむ、過去から今現在へ向けての不幸の手紙でした。
情報管理ネット社会。 「個人の秘密」の価値と それによる 言論・思想統制。 見えないが確実に 縛り絡めとる管理社会。 自由な顔した 従属された世界。
薄い恐怖と 慢性的な不安。
伸びる影が自分を覆い いつのまにか入れ替わるような感じを覚えました。
大人の為の童話 または 預言書。
既に8割は当たっているようです。
果たして 僕達は約束された未来から逃げ切ることが 出来るのでしょうか。
~死にゆく妻との旅路~ (清水 久典・新潮文庫)
私が転勤で1年程暮らした街から始まる、予め終わる事が約束された 悲しき逃避行記。
「自己責任」や「痛み」だけを背おわせ「三方一両損」などと たわけた戯れ言を繰り返した世に沈黙せざるを得なかった夫婦の顛末を描ききった私小説。
まるで巡礼のようなハローワーク巡り。 冷やかしの目に晒されながらの駐車場での散髪に 気遣う夫と凛とした妻。
どこにも救いがないのに妻の愛のみで全てが救われたような読後感。
職業作家ではない著者によるものとはとても思えないが、 同じ境遇の声なき声がこの本を 支えているように感じた。
~納棺夫日記~ (青木 新門・文春文庫)
映画「おくりびと」の元ネタ(著者の意向により原作とはしないそうです。)
文庫版のあとがき が 大変面白く また文庫本の方が手に入れ易いので是非ご一読を。
冷たい北陸のみぞれに耐え抜いた 暖かい小春日和 ...基本的に冬(笑)のような 本。
色眼鏡壊しちゃうよ。
~宇奈月小学校フライ教室日記~ (本村 雅広・フライの雑誌社)
私の兄弟子にあたる方の著書。
兄弟子と云っても地元コーヒー屋の先輩常連客(笑)。
この方とコーヒー屋のマスターに出逢ったお陰で今の自分があると思えるほど影響を受けた一人。
フライフィッシングを通して 地域・子ども達・仕事・未来のことが素朴で親しみ易い言葉で書かれた日記。
特に第11章〔移りゆく春〕の親バカ全開のくだりに隠された、受け持ちの「たんぽぽ学級」の 生徒(たっちゃん)との人事異動によるための別れを相対的というか コントラストに見せることでより深い悲しみが伝わり、著者の絶叫が胸に響いて何度読んでも涙が溢れてきます。
あまり見かけない本かもしれませんが、もし機会があれば是非とも読んで頂きたい作品です。
(大きな図書館などにあるかな? 本当に良い本なんだぁ)
~老いの幸福論~ (吉本 隆明・青春出版社)
本人は嫌がっているそうですが「知の巨人」「戦後最大の思想家」「孤高の哲学者」等の異名を持つ 近所のおっちゃん(笑)。
「普通の視野」を絶対に忘れない姿勢にいつも凄みすら感じます。
私如きが語るのもおこがましいのですが(もちろん 上記作品全てに言える事です) 、良い作品は稚拙な表現しか出来ない私にも伝えたい感情が湧き上がる魅力があるものですね。
タイトルはなんとなく牧歌的な感じですが書いてあることはかなり攻撃的・ラジカルな感じも受け、 やはり普遍的というか「党派性を帯びない言葉」で未来を見つめている感じがします。
第2章〔知識より叡智が大事〕は固定概念をひっくり返す迫力があり頷きながら爽快感を感じました。
読む人により感じかたは異なるとおもいますが 「言・美」や「共同幻想論」とならぶ〔今・現在〕を射抜く 大変読みやすい(ここ 重要!)本だと思いました。
ショートショートの巨匠 星新一氏の 珍しい長編小説。
切れ味鋭い スッキリとした味わいに酔いしれようと読んでみたけど重油を飲む如く重い口当たりに腹の底まで沈みこむ、過去から今現在へ向けての不幸の手紙でした。
情報管理ネット社会。 「個人の秘密」の価値と それによる 言論・思想統制。 見えないが確実に 縛り絡めとる管理社会。 自由な顔した 従属された世界。
薄い恐怖と 慢性的な不安。
伸びる影が自分を覆い いつのまにか入れ替わるような感じを覚えました。
大人の為の童話 または 預言書。
既に8割は当たっているようです。
果たして 僕達は約束された未来から逃げ切ることが 出来るのでしょうか。
~死にゆく妻との旅路~ (清水 久典・新潮文庫)
私が転勤で1年程暮らした街から始まる、予め終わる事が約束された 悲しき逃避行記。
「自己責任」や「痛み」だけを背おわせ「三方一両損」などと たわけた戯れ言を繰り返した世に沈黙せざるを得なかった夫婦の顛末を描ききった私小説。
まるで巡礼のようなハローワーク巡り。 冷やかしの目に晒されながらの駐車場での散髪に 気遣う夫と凛とした妻。
どこにも救いがないのに妻の愛のみで全てが救われたような読後感。
職業作家ではない著者によるものとはとても思えないが、 同じ境遇の声なき声がこの本を 支えているように感じた。
~納棺夫日記~ (青木 新門・文春文庫)
映画「おくりびと」の元ネタ(著者の意向により原作とはしないそうです。)
文庫版のあとがき が 大変面白く また文庫本の方が手に入れ易いので是非ご一読を。
冷たい北陸のみぞれに耐え抜いた 暖かい小春日和 ...基本的に冬(笑)のような 本。
色眼鏡壊しちゃうよ。
~宇奈月小学校フライ教室日記~ (本村 雅広・フライの雑誌社)
私の兄弟子にあたる方の著書。
兄弟子と云っても地元コーヒー屋の先輩常連客(笑)。
この方とコーヒー屋のマスターに出逢ったお陰で今の自分があると思えるほど影響を受けた一人。
フライフィッシングを通して 地域・子ども達・仕事・未来のことが素朴で親しみ易い言葉で書かれた日記。
特に第11章〔移りゆく春〕の親バカ全開のくだりに隠された、受け持ちの「たんぽぽ学級」の 生徒(たっちゃん)との人事異動によるための別れを相対的というか コントラストに見せることでより深い悲しみが伝わり、著者の絶叫が胸に響いて何度読んでも涙が溢れてきます。
あまり見かけない本かもしれませんが、もし機会があれば是非とも読んで頂きたい作品です。
(大きな図書館などにあるかな? 本当に良い本なんだぁ)
~老いの幸福論~ (吉本 隆明・青春出版社)
本人は嫌がっているそうですが「知の巨人」「戦後最大の思想家」「孤高の哲学者」等の異名を持つ 近所のおっちゃん(笑)。
「普通の視野」を絶対に忘れない姿勢にいつも凄みすら感じます。
私如きが語るのもおこがましいのですが(もちろん 上記作品全てに言える事です) 、良い作品は稚拙な表現しか出来ない私にも伝えたい感情が湧き上がる魅力があるものですね。
タイトルはなんとなく牧歌的な感じですが書いてあることはかなり攻撃的・ラジカルな感じも受け、 やはり普遍的というか「党派性を帯びない言葉」で未来を見つめている感じがします。
第2章〔知識より叡智が大事〕は固定概念をひっくり返す迫力があり頷きながら爽快感を感じました。
読む人により感じかたは異なるとおもいますが 「言・美」や「共同幻想論」とならぶ〔今・現在〕を射抜く 大変読みやすい(ここ 重要!)本だと思いました。
** あくまでも私個人の感想ですので各作品とその著作者およびTREKsになんの関係もありません。
ちなみに今一番気に入って 読んでるのが ~愛しの座敷わらし~(萩原 浩・朝日新聞社出版)です。
5回読んで5回目が一番感動しました。
味わい深い、これからもずっと読み続けるであろう一生の友達みたいな 本です。
六ちゃん さいこーす♪
BGM ・ DOOM〔total DOOM〕
・ Phew&山本精一〔幸福のすみか 7曲目そら〕
・ Seaworthy+Matt Rosner 〔Two Lakes〕
Simax
ちなみに今一番気に入って 読んでるのが ~愛しの座敷わらし~(萩原 浩・朝日新聞社出版)です。
5回読んで5回目が一番感動しました。
味わい深い、これからもずっと読み続けるであろう一生の友達みたいな 本です。
六ちゃん さいこーす♪
BGM ・ DOOM〔total DOOM〕
・ Phew&山本精一〔幸福のすみか 7曲目そら〕
・ Seaworthy+Matt Rosner 〔Two Lakes〕
Simax